
■ はじめに:終わるまで、待つのが当たり前だった
昭和の家電を思い出してほしい。
洗濯機、テレビ、扇風機、照明――
「何分後に止まる」
そんな機能は、ほとんどなかった。
洗濯が終わるまで待つ。
テレビは自分で消す。
扇風機は寝る直前に止める。
今なら不便に感じるが、
当時はそれが普通だった。
なぜ昭和の家電には、
今のような「タイマー」がなかったのか。
■ 結論:タイマーを必要とする生活ではなかった
まず結論から言おう。
昭和の暮らしは、タイマー前提ではなかった。
技術がなかったからでも、
発想がなかったからでもない。
生活リズムそのものが、違っていた
それが最大の理由である。
■ 家電は「見ながら使うもの」だった

昭和の家電は、
・使っている間、そばにいる
・終わるのを待つ
・様子を見て止める
これが基本だった。
洗濯機も、
・水が止まったか
・音が変わったか
人が判断するのが前提。
だから、
自動で止める必要がなかった
のである。
■ 共働きが、まだ一般的ではなかった
昭和の多くの家庭では、
・日中は誰かが家にいる
・家事は専業主婦が担う
というスタイルが主流だった。
そのため、
・家電をつけたまま外出
・不在中に動かす
という使い方は少ない。
在宅前提の家電に、
タイマーは必須ではなかった。
■ 操作は「単純」であることが正義だった
昭和の家電設計思想は、
誰でも迷わず使えること
タイマーを付けると、
・設定が難しい
・間違える
・説明が必要
こうした要素が増える。
特に、
・高齢者
・子ども
が使う家庭では、
余計な機能は混乱のもとだった。
■ 機械式タイマーは、高価で壊れやすかった
実は昭和にも、
タイマー技術は存在した。
だがそれは、
・大型
・高価
・精度が低い
家庭用家電に載せるには、
現実的ではなかった。
しかも、
・ズレる
・止まらない
・逆に壊れる
信頼性に欠けていたのだ。
■ 「消し忘れ」は、生活の一部だった
昭和には、
・電気を消し忘れる
・扇風機を回しっぱなし
そんなことが普通にあった。
だが、
・電気代は今ほど厳密でない
・使用時間も短い
致命的な問題にはならなかった。
つまり、
タイマーで防ぐ必要性が低かった。
■ 家電は「止まると困る」ものも多かった
例えば、
・扇風機
・ラジオ
・テレビ
勝手に止まったら、
逆に困る。
「いいところだったのに」
「まだ起きてるのに」
そんな不満を生まないためにも、
自分で止める方が安心だった。
■ 事故防止は「人の目」で行っていた
今なら、
・切り忘れ防止
・自動停止
だが昭和は、
ちゃんと見ていなさい
という思想。
人が管理する前提なら、
タイマーは不要。
これは、
・洗濯
・調理
・暖房
すべてに共通していた。
■ そして時代は「自動で止める家電」へ

平成以降、
・共働きの増加
・夜型生活
・電気代意識の高まり
こうして、
放っておいても安心
が求められるようになる。
タイマーは、
・便利機能
から
・必須機能
へと変わっていった。
■ 今では「止まらない方が不安」になった
現代では、
・タイマーがない
・自動停止しない
それだけで、
「危ない」
「不親切」
と感じてしまう。
だがそれは、
生活が変わった証拠でもある。
■ まとめ:タイマーがなかったのは、不便ではなかった
昭和の家電にタイマーがなかった理由は、
・在宅前提の生活だった
・家電は見ながら使っていた
・操作は単純さが最優先だった
・技術的にコストが高かった
・消し忘れが問題になりにくかった
・人が管理する時代だった
すべてが、
昭和の暮らしに最適化されていたからだ。
便利さは増えたが、
人が関わる余地は減った。
それが、
昭和から令和への家電進化なのである。

